HoudiniBBAの台所

Houdiniを覚えたいリアルタイム系VFXババァが覚えたことをいろいろと残しておくブログ。

Houdiniおすすめの勉強方法【超のつく初心者向け】

どうもこんにちは。
今日は初心者さんにオススメのHoudiniの勉強方法を紹介します。

とにかく言いたいことがある

まず最初に言っておきたいのが 「Houdini始めた瞬間からシミュレーションとかやろうとすると詰むからやめとけ」です!

最初にやるべきは「ジオメトリを自由自在に操作できるようになること」。
そして次に「プロシージャルな作りになるように考えられること」。
そこから、破壊なり自動生成なり、好きなほうに展開して行きましょう。

※プロシージャルな作り≒「非破破壊でつくる(上流工程のデータがなくならない)」とか、「最初に渡すものを変えればすぐバリエーション」ができる、とか。
Houdiniがマジヤバイ(褒めてる)って言われている最大の理由(若干、個人の偏見入ってます)。

すんごいエフェクト作りたくてHoudini始める気持ちはよ~くわかります。
ハリウッド映画メイキングとかCGWORLDさんの記事とかですごいVFXが紹介されて「Houdiniで作ってるんですよー(ドヤッ)」っていうのがいっぱいあるし、私も師匠にHoudiniの基礎を教えてもらうまで、Houdiniはシミュレーションとかに特化したエフェクト用のソフトか何かかと思ってました...。(業界人として非常にダメな人間の鏡)

ですが、HoudiniはMayaや3dsMaxと同じようなDCCツール(CGを作るためのお道具)です。
MayaやMaxがシミュレーションやパーティクルの計算もできるように、HoudiniだってモデリングしてUV展開して、リギングしてアニメーションつけることもできます。
あまり にHoudiniのシミュレーションとかパーティクル計算は、あまりにできる子すぎてちょっと目立っちゃっただけなのよ。

まぁ何がいいたいかというと、 基礎なくして応用なんてもってのほか
「私、画面に立方体呼ぶ方法知らないけどparticle計算のプロでーすw」っていうmaya使いが世の中に存在しないように、Houdiniもまずはジオメトリの操作(ポリゴン呼び出したり、変形させたり、パラメータ変更したり)をきちんとできるようになってから、流体表現とか破壊シミュレーションにチャレンジしようね!ってことです。

エフェクト作りもジオメトリの操作も、結局はノードをつないで、アトリビュートをいじいじするだけなので。急がばまわれ、です。

おすすめ勉強法!

さてさて、前置きが長くなっちゃいましたが、オススメの勉強法を紹介しますね。

じつは若干、上述の話と矛盾してしまうんですが 、いちばんのおすすめは「なんか面白そうな動画のチュートリアルを、とりあえずやってみること」です。

いやー、だって、まずは興味あるものからはじめたいじゃん?((

それに、「こういうのを作るときにようわからんけどこのノード使ったわ」っていう経験は、後からけっこういい感じに作用します。
公式非公式問わず、ネット上にいっぱい転がってますのでお金もかかりませんしね。
言語が分からなくても、動画なら同じような操作をすれば同じものが出来上がるので、最初はまず動画の操作を真似するだけで大丈夫

先人の方々の「完成品のシーン」を、いっぱい見て真似してみましょう。

ちなみに、ジオメトリ操作もエフェクトっぽい動きも 一度にやりたい欲張りさんにオススメなのはこちら。
英語だけどミュートでも操作を追うだけで完成はするので大丈夫!
(※バージョンが13なので、見た目とかノードの種類が微妙に違うのでそこだけ注意で)

Introduction to Houdini 13 particles from Rohan Dalvi on Vimeo.

 

技術書は買ってもたぶん損はしない

チュートリアル形式の技術書を片手に、制作してみるのもお勧めです。
ちょうど最近、めちゃくちゃいい本が出ました。 3D屋さんにはおなじみ、「No More Retake(http://nomoreretake.net/)」の北川さんのHoudiniチュートリアル本です。

books.mdn.co.jp

すべてのチュートリアルが無料版(APPRENTICE)に対応しているうえに、 「レンダリングするまで」をきちんと解説してくれている、非常にありがたい本です。
(Houdiniもmayaも、ライティングとかレンダリング設定すっ飛ばして「完成品がこちらでーす!」ってなるチュートリアル多すぎるよね...)
毎回とっても丁寧な操作説明がしてありますし、フルカラーでサンプルデータまでついています。素晴らしいよ!Houdiniの使いどころほぼ網羅してるし!なにより日本語だし!

あとは北田さんの本で面白そうだなーと思ったチュートリアルをひと通り作ってみた後に読んでみてほしいのが、ボーンデジタルさんから出てる佐久間さん著の「理論と実践で学ぶHoudini」。

www.borndigital.co.jp


こちらの本はプログラマさんが書いているので、チュートリアルもけっこうコードをゴリゴリと書くタイプです。 ただデータの構造とか、処理の考え方はとっても丁寧に解説されているので、Houdiniの操作ができるようになったあと、自分の思い通りのシーンを構築しようとしたときに役に立つ知識が満載です。
「もともとmelやPythonでバリバリやってました!」な方はいきなりこちらの本から始めても大丈夫かも。 ある程度のお約束(Wrangleで書けるものはVOPでも作れるとか、回転はよくわかってなくてもとりあえずクォタニオン使っとけばええんやとか)を知っていると、すんなり頭に入る気がします。
こちらもフルカラーな上にサンプルデータがいっぱいついているので、本のページと同じ状態でお勉強を進められるのが嬉しいところです^^

CGの専門書はフルカラー印刷の都合とか、購入する人の割合的にちょっとお高いものが多くなってしまいがちですが、上記2冊とも買って損はしないと思います。

だいじょうぶ、Houdiniマスターになっちゃえば、本の代金なんて1時間もあれば稼げるようになるから!!(根拠のない自信)

あと、「チュートリアルをやっていくときに、初見のノードが出てきたら公式リファレンスを見てみる」のもおすすめです。 公式サイトには「このノードはこういう機能がついてるからねー」っていうのがまとまってます。

http://www.sidefx.com/docs/houdini/nodes/index.html

(※リファレンス=プログラマ界隈では関数とかの機能一覧のこと。一部のCG屋さんは参考資料とかもリファレンスって呼びますが。) なお、本やチュートリアルで「Houdiniのお約束」が大体わかってきたら、ネットサーフィンが楽しくなるよ。
CGWORLDさんのHoudini記事や、ネット上のHoudini使いの人のブログとかを理解しながら読めるようになっていると思うので。 記事とかブログの内容をそこそこ理解できれば、もうHoudiniを使いこなしたも同然です。初心者脱出おめでとうございます!(無責任

でも、ジオメトリを自由自在に操作できるようになった後は、もうやりたいこと専用の機能とかお約束を覚えるだけなので、出来ることがメチャクチャ増えます!これはガチです。

もっと増えろ、日本のHoudini使い!! そして一緒にエフェクト沼にはまろう^ω^←

本日もありがとうございました。